緑黄色野菜の1つであるトマトには人体に必要な栄養素が豊富に含まれています。実際、その高い健康効果を評して「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざもあるほどです。トマトに含まれる栄養価に関して詳細を知ると、もっと毎日の献立へ取り入れていこうという気持ちが強まることでしょう。
消化器官の働きを整える食物繊維
トマトには腸の働きを改善する食物繊維が含まれています。食物繊維は小腸および大腸まで届き、善玉菌を増やすことに貢献してくれます。善玉菌が増えると腸内環境が整うので、便秘の予防に高い効果が期待できます。また、腸内の蠕動運動を活発化することで宿便の解消を促すというメリットもあるのです。そのため、慢性的な便秘に起因する肌荒れに悩まされている人はぜひ積極的に摂取しましょう。
さらに、食物繊維は腸内における栄養の吸収スピードや血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。そのため、血糖値が高く生活習慣病のリスクがあると医師からアドバイスされている人は毎回の食事にトマトをぜひ取り入れましょう。加えて、食物繊維には腸内の余分なコレステロールを吸着する働きもあります。これは便となって体外へ排出されますから、実質的にコレステロール値を下げて体調を整える効果があると言えるわけです。
皮膚や粘膜を強化するβカロテン
βカロテンは体内に入るとビタミンAへと変換されます。ビタミンAは脂溶性ビタミンの1つで、皮膚や粘膜の新陳代謝を促進して健康な状態に保ってくれるのです。そのため、肌荒れや乾燥に悩まされている人にとっては非常に嬉しい栄養素ということができるでしょう。また、皮膚のターンオーバーが進むということは、シミやくすみなども徐々に解消されていくということにつながります。肌トラブルに悩まされており、美肌を取り戻したいという人にトマトは大変おすすめです。
βカロテンから変換されたビタミンAは網膜や角膜など眼球の状態を改善する効果もあります。これは疲れ目やドライアイなどに悩まされている人や、白内障・緑内障などの疾患を予防したいという人にとって嬉しい作用ということができるでしょう。
老化を防いでくれるビタミンC
ビタミンCを豊富に含んでいるのもトマトの特徴です。ビタミンCは人間の体内で産生できないので、積極的に食事で摂取する必要があります。ビタミンCは体内でコラーゲンを作る原料となります。コラーゲンには肌のはりを保つ効果や、血管を丈夫にする作用がありますから、老化の予防には大変効果的と言えるでしょう。また、体内における各種ホルモンの分泌を活発にする効果もあります。これにより、メンタルが安定しやすくなるので、仕事にいっそう集中することができるでしょう。加えて、鉄分の吸収をサポートする働きもあるので、貧血気味の人にもおすすめの栄養素です。
トマトにはこのほかにもリコピンやビタミンE、カリウムなどの栄養素がバランスよく配合されています。糖質やタンパク質も摂取できるので、まさに総合栄養食ということができるでしょう。