トマトは人体に必要な栄養素がたっぷりと含まれる非常に優秀な食材です。とはいえ、食べ方によってはそれらの栄養素を十分に吸収できない可能性があります。そのため、トマトが持つポテンシャルを最大限に引き出したいのであれば、「どのタイミングで食べるのか」という点を覚えておくのは賢明でしょう。
栄養の吸収率が高いのは朝食
トマトに含まれる栄養素の中で、特に健康効果が高いとされているのはリコピンでしょう。体内で発生する活性酸素の働きを抑制することで、高いアンチエイジング効果を発揮してくれるだけでなく、高血圧や高血糖などの生活習慣病も予防してくれる優れものです。トマトからリコピンを最大限に吸収したいのであれば、おすすめのタイミングは「朝食」です。食品メーカーの調査によれば、昼食や夕食で摂取する場合と比較して、朝食でトマトを食べるとリコピンの吸収率はおよそ4割も高くなることが確認されています。この背景には、就寝中に体内環境を整えるため多くの栄養素が消費されるので、体が枯渇状態になっていることが関係していると考えられます。そのため、リコピンだけでなくビタミンCやβカロテンなど、トマトに含まれる他の栄養素も効率よく吸収されていくのです。
ダイエット効果を目指すなら夕食
トマトにはタンパク質や糖質なども含まれている一方、カロリーは非常に低いという強みがあります。実際、1個当たり30キロカロリー前後なので、サイズの大きなトマトをお腹いっぱい食べても、摂取カロリーはそれほど高くありません。また、よく噛んで食べることにより、しっかり食事をしたという満足感や満腹感を十分に得ることができます。こうした利点を生かしてトマトでダイエット効果を期待している人は、ぜひ夕食の献立に活用しましょう。もちろん、おやつや間食代わりにトマトを活用して空腹感を抑えるという方法も効果的です。ただし、ダイエットのために筋トレや有酸素運動をしている場合には、筋肉を鍛えて基礎代謝を高めるために十分な量のタンパク質を摂取する必要があります。そうしたケースでは、低カロリーで植物性タンパク質を豊富に含む大豆製品を活用しましょう。豆腐や納豆、無添加の豆乳などがおすすめです。
トマトジュースも栄養価は高いのでおすすめ
「トマトを朝食で取りたいけれど、忙しくて調理する暇がない」という人は、トマトジュースを活用してみましょう。トマトはジュースやソースなどに加工してもリコピンやカリウムなどの栄養素はほとんど失われません。そのため、朝が苦手な人は朝食として1本のトマトジュースを飲むという習慣をつけると良いでしょう。ただし、トマトジュースには有塩と無塩のものがあります。有塩のジュースは味が整っていて飲みやすいというメリットがある一方、体内で水分を吸着してしまうため、体がむくみやすくなってしまうのです。そのため、むくみやすい体質で悩んでいるなら、無塩のトマトジュースをチョイスしましょう。